ザンビア国保健投資支援プロジェクト(2015年-2016年)

2015年3月から実施されている「ザンビア国保健投資支援プロジェクト(2015年-2016年)」の概要と現在までの進捗をご紹介いたします。

現在、ザンビア政府は、都市部に偏った保健医療体制の是正のため、地方部の医療施設の機能強化を図っています。ヘルスセンターや第1次病院(郡病院)が主体である地方部の医療施設は地域住民の基礎的医療(プライマリーヘルスケア)を担う要所と位置づけられています。それらの施設が本来の機能を発揮できるように、保健医療サービスの現状を把握し、必要な医療施設と医療機材を整備するための保健投資計画を策定し、実施することが求めています。

このような背景のもと、わが社は、「保健投資支援プロジェクト」(2010年1月~2013年1月)を実施実施し、ルサカ州、西部州、東部州の3か所のパイロット州にて「州・県レベルでの医療資機材管理の仕組みの整備」、「第2次及び第3次病院における医療資機材基準の整備」、「医療資機材の予防的管理のための計画運用」などの成果を上げました。本プロジェクトは、上記の「保健投資支援プロジェクト(2010-2013年)」のフォローアッププロジェクトとなります。

具体的には、前回のプロジェクトの活動継続状況を確認するとともに主に、第2次及び第3次病院の医療施設整備基準の作成支援、医療施設管理体制の構築支援、医療機材技術研修、郡レベルでの年度予算計画の策定支援を実施いたします。

まず、本プロジェクトの活動の説明と議論のためにキックオフミーティングが2015年3月に開催されました。キックオフミーティングでは全出席者が、今回のプロジェクトの背景、内容、プロジェクト後に期待されることなどを共有し、プロジェクトの効果的な実施、その後の全国展開などに関して活発な協議を交わしました。

キックオフミーティングの様子

キックオフミーティングの様子

また、4~5月にかけて前回のプロジェクト成果の継続状況を確認しました。前回の成果である医療機材管理システムや5S活動を継続するだけでなく、より使いやすい手法に発展させている病院もあり、このような病院があることは何よりも嬉しく感じました。

前回のプロジェクトで学んだという5S活動に熱心に取り組んでいた病院スタッフ

前回のプロジェクトで学んだという5S活動に熱心に取り組んでいた病院スタッフ

今回のプロジェクトでも引き続き、当事者であるザンビアの方々のオーナシップを大切にしつつ、保健医療サービスの向上を継続できる仕組みづくりを支援していけるように、このプロジェクトに関わって参りたいと思います。

モルドバ国医療機材維持管理改善プロジェクト

今年(2015年)の4月よりモルドバ共和国にて「モルドバ国医療機材維持管理改善プロジェクト」に係る業務を開始いたしました。モルドバ共和国では、非感染症を中心とする先進国型の疾病構造に移行しており、医療レベルの向上が求められております。またその一方で保健医療に係る財政支出の比率が既に高く、医療サービスの効率化も急務となっております。

本プロジェクトでは、医療サービスの効率化の一環として、モルドバ共和国全土に医療機材管理センター/ユニットを設置・機能させ、医療機材管理体制を構築することを最終的な目標とし、全国レベルの医療機材管理体制案の検討とパイロット医療施設内における医療機材維持管理体制作りを行います。

本プロジェクトにてパイロット医療施設となった5病院は、弊社がコンサルティングサービスを提供するJICA有償資金協力「医療サービス改善事業」にて多くの医療機器が導入されている施設となります。そのため本プロジェクトを通じて、日本の有償資金協力によって整備された機器がより長期間使用され、モルドバの人々の健康維持に貢献することが期待されます。

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パイロット病院の1つで、プロジェクトオフィスのある 共和国病院

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共和国病院内のプロジェクトオフィス

本プロジェクトの最初の活動として、半年毎にプロジェクトの進捗の確認を行う合同調整委員会(Joint Coordinate Committee、以下JCC)と、本プロジェクトに係る技術的助言を提供する技術委員会(Technical Committee、以下TC)を設立しました。5月22日に開催された第1回目のJCCにて本プロジェクトの業務計画(プロジェクトの内容)が承認され、その後5月25日に開催された第1回目のTCにて今年度実施が予定されているプロジェクト活動の具体的な内容についてモルドバ共和国保健省の方を中心とした参加者と協議を行いました。

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第1回合同調整委員会(JCC)の様子

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第1回技術委員会(TC)の様子

今後は、現在実施中の関連行政機関や全国の主要医療施設に対する医療機材管理の現状についてのインタビュー調査の結果を踏まえ、医療機材管理センター/ユニットの設置基準及び業務ガイドラインの素案を作成し、関係機関に提案する予定です。

ガーナ国野口記念医学研究所追加実験棟設置計画準備調査

2015年3月より約三週間、「ガーナ国野口記念医学研究所追加実験棟設置計画準備調査」のために西アフリカのガーナに行ってまいりました。

野口医学研究所正面

対象となる野口記念医学研究所(野口研)は、その名前からも分かる通り、ガーナの地で黄熱病研究に身を捧げた野口英世博士の功績をたたえて1979年に日本の無償資金協力で建てられました。

それ以降、長年にわたる無償資金協力や技術協力が行われたことにより研究能力は向上し、現在では他の研究機関と共同研究を実施したり、日本をはじめ海外の大学とも交流を持ち、西アフリカを中心とした国際的な感染症対策課題に貢献しています。

近年では、西アフリカのリベリア・シエラレオネ・ギニア三国でのエボラ出血熱流行の際も重要な対策拠点として大きな役割を果たしました。

野口研玄関にある野口英世博士の肖像

このようにガーナ国内外で重要な役割を果たしている当研究所ですが、近年増加・発展する研究活動や将来の研究者を育成する教育機関として更に発展することが期待されています。

本調査では、数多くの研究者と学生達との出会いがありました。 日本に留学したり、研修に参加したことのある研究者も沢山いらっしゃり、日本とガーナの友好関係を感じました。 中には「こんにちは!」と声をかけてくださる方もおられました(そのあと、「私、日本語シャベレマセン!」と続くのには、笑わせていただきました…!)

殆ど毎日通った野口研内の食堂での昼食

話をしている中で、研究者お一人お一人の研究に取り組む熱い思いや、野口研で働いていることに対する誇りを感じ、西アフリカを代表する重要な研究拠点であると同時にガーナと日本の友好の象徴であるようなこの場所でお仕事をさせて頂けることを大変光栄に思いました。

今後も、当研究所の更なる医学研究・教育の発展を願い、この地を後にいたしました。

訪問先の医療機材代理店で見つけたカカオ

余談ですが…ガーナといえばチョコレート!訪問した医療機材代理店の玄関に、偶然にもカカオの実が実っていました。スタッフの方が記念にとカカオをくださいましたが、さすがにカカオからチョコレートの作り方は分からず、しばらくはお仕事の合間にホテルで鑑賞しておりました。

 

タジキスタン国 無償資金協力

 アッサローマ レイクンマ!!(現地での挨拶)

 母子保健施設医療機材・給排水改善計画で、タジキスタン共和国に来ました。ソ連崩壊(1991年)により独立国家となったタジキスタンは、北にキルギス、東に中国、南にアフガニスタン、西にウズベキスタンとの国境を有する内陸国です。

©google map

 国土の大部分は山岳地帯であり、雄大な景色を見ることができます。
 さて今回のタジキスタン訪問の目的は、「医療機材の供与」です。61種類の医療機器を7つの病院に供与しました。そのうちの一つ、首都にある第3産科病院をご紹介します。

 ここはタジキスタンにおいて、母子保健分野の高度な医療を提供する機関として位置づけられています。ですが、ソビエト時代からの老朽化した医療機器も多いという現状であり、その役割を十分に果たせているとは言えない状況でした。

第3産科病院

 そこで今回のプロジェクトでは、低出生体重児のための保育器・モニター、妊婦健診のための超音波診断装置、帝王切開を実施するための機器など、母子保健に関する様々な医療機器を供与しました。

低出生体重児のための保育器

 ただ機器を供与するだけではなく、機器のトレーニングも実施。トレーニング中は、メモを取り、実際に機器に触れるなど、みなさん真剣そのもの。中にはスマートフォンを活用し、動画を撮るスタッフもいました。そのスタッフは「わからないことが出てきたら、この動画を見ます!!」と笑顔。

研修を受けている医療従事者たち

 トレーニング後、数人にインタビューをしてみると、「今まで治療できなかった小さく生まれた子供を助けられる」「超音波検査により、妊婦健診が充実する」などの今後の健診・治療の充実に向けて、前向きな意見がありました。


乳児死亡率や妊産婦死亡率などが近隣諸国に比べて高いタジキスタン。今回供与された日本の医療機器が活躍し、安心・安全に出産、子育てできる環境が整うことを祈っています。

ミャンマー国州・地域拠点病院整備情報収集・確認調査を行ってきました。

我が社では、2014年8月から一年間、国際協力機構(JICA)より、「ミャンマー国州・地域拠点病院整備情報収集・確認調査」業務を請け負っております。本調査では、ミャンマーの全国の州・地域の拠点病院の保健医療サービス、現有機材、施設設備の現状を調査するものであり、南部タニンダーリー地域メイッから、北部カチン州ミッチーナーまで全国津々浦々を回りました。

ミャンマーの病院は、施設の老地化や雨漏り、カビの発生などのほかにエレベーターやスロープが無く患者さんの移動が大変であるという課題があります。また、医療機材も不足していました。さらに、マラリアやデング熱等の感染症や交通外傷などの患者が年々増加しているにも関わらず、医療従事者数は不足しており、人員不足の中で多くの患者を取り扱わなくてはいけないという厳しい現状でした。

しかし、お話を伺った医師や看護師は、そのような状況下においても熱意をもって患者の診断や治療にあたり、向上心のある方々ばかりで大変感動しました。

ミャンマーは、2011年に長らく続いた軍事政権に終止符を打った国ですが、日本との国交関係は60年におよぶ親日国です。人口5千万人のうち、6割を占めるビルマ人の他、20以上の少数民族がおり、それぞれ固有の言語を持っています。

ミャンマー北部地方では、様々な少数民族の文化や人々の生活に触れ、さらに訪問した2月は、氷点下まで気温が下がることもあり、ミャンマー南部地方とは異なった風土を経験しました。

ミャンマー北部地方の気候は、果物や野菜などの作物に適した気候で、道中ではかんきつ類やイチゴなどの様々な果物が路上販売されており、我々もかわいらしい売り子さんに惹かれて購入しました。ミャンマーのイチゴは、ハウスで育てた日本のイチゴのような強い甘さはないものの、「昔の日本で取れた素朴なイチゴの味」でした。大自然で育った無添加の果物は、どれも美味で調査の疲れを癒してくれました!

今回の現地調査は、生真面目で、礼儀正しく、遠慮深いミャンマーの人々のおかげで、滞りなく実施することができました。ぜひもう一度訪れたい国のひとつになりました。

今後、本調査の結果が活用され、ミャンマーの州・地域拠点病院への支援が実施されることで、国内の医療サービス提供機能が向上することを切に願っております。

 

スリランカ国保健医療セクター情報収集・確認調査

2015年3月から4月にかけて、標記調査の現地調査を実施しました。

スリランカは仏教国というイメージが強いですが、ヒンズー教、イスラム教の人々も暮らしています。スリランカの人々の笑顔や優しさに接していると想像しづらいですが、民族間の紛争が終結してからまだ日も浅く、未だに紛争の爪痕が残っている地域や、複雑な心情的を抱く人々がいることも事実です。保健省は公的な保健サービスを無償で提供するなど、医療サービスの充足かがはかられていますが、都市と地方にはまだ差がみられるのが現状です。

一方で、スリランカのほとんどの病院(高次から1次レベルまで)では、5S (Seiri, Seiton, Seisou, Seiketsu, Shitsuke)が実践されており、既存の資源を活用して最大限のサービスを提供するという姿勢が浸透していました。この様子には調査団も驚き、また日本の産業界で実践されている考え方がスリランカの保健セクターに根付いていることをうれしく感じました。

調査中、我々が訪問する先々でおいしい紅茶をごちそうになりました。スリランカは写真のような山岳地帯でとれる紅茶の産地として有名ですが、その紅茶の香りはとても深く、日本では味わったことがないようなおいしいミルクティーでした。スリランカもおもてなしの心あふれる温かい国であることを実感しました。

写真上:整理整頓された薬

写真下:ウバ州の景色

ラオス・コミュニティ開発支援無償

3月18日(水)にラオスの首都ビエンチャンの保健省で開催された、「南部地域保健サービスネットワーク強化計画」の機材調達に係る入札の評価を行ってきました。このプロジェクトは、JICAが実施するコミュニティ開発支援無償の枠組みにおいて、ラオスの南部4県を対象とし、保健医療サービスが届きにくい遠隔地の保健センターの新設や改築、医療機材の整備を行うものです。

ラオスには10年ぶりに渡航しましたが、同国の近年の目覚ましい経済成長を物語るかのように、首都は道路も舗装され、商業ビル等も増えて活気にあふれる印象でした。一方、市内の市場では新鮮な食材や伝統的なお菓子、衣類や日用品などが混然一体として売られ、海外から訪問する者の目を楽しませてくれます。

ビエンチャン市内の市場(タラート・クオディン)の様子。

都市部の発展の一方で地方では未だ保健医療サービスへのアクセスが限られた地域が多く、医療施設の強化や医療人材の育成は引き続き同国の課題となっています。今回の入札を通じて調達される機材が保健施設に届き、保健課題の解決に資することが期待されます。

夕暮れのメコン川。対岸がタイです。

 

 

 

 

北米・中南米(メキシコ・ボリビア・ドミニカ共和国)で調査をしてきました!

8月31日から10月11日の期間、メキシコ共和国、ボリビア多民族国、ドミニカ共和国で保健医療分野の調査を行ってきました。同じアメリカ大陸に位置し、ともにスペイン語を話す3ヶ国ですが、国により医療事情はもちろん、文化や食習慣、人々の様子などまったく異なり多くを学ぶ調査でした。

最初に訪れたメキシコでは、ちょうど独立記念日の前だということもあり「チレス・エン・ノガダ」というメキシコの国旗と同じ色をしたチリの中に野菜や肉詰めした料理をよくレストランでみかけました!また、グアカモレ(アボガドディップ)のおいしさに感動しました。

右下がグアカモレ

 

 

 

 

 

 

 

2ヶ国目のボリビアでは、首都のみではなく5県で調査を行いました。ラパスは、標高が低いところでも約3,600メーターと高く、少し階段を上っただけで息切れがでるほどでした。標高が高いため、気温が低くホテルでは暖房などを使っていましたが、調査の合間に見る美しい歴史的建造物やカラフルなお土産等に癒されていました。

公立病院で調査を行う弊社社員

ラパスの風景

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

最後に訪れたドミニカ共和国は、寒かったラパスから到着した私たちは、最初に澄み切ったきれいなカリブ海や暖かい天候で一気に幸せになりました。
調査中は、保健省の担当職員に同行してもらうことが多く、勤勉な彼らの助けを多くもらいました。

保健省副大臣、担当官と弊社社員

 

 

 

 

 

 

 

どの国も様々な関係者の皆さまにお世話になりました。この調査が少しでも各国の人々の健康向上に役立つように祈っております。

アルメニア

弊社が携わるスキームの一つに、無償資金協力のフォローアップがあります。無償資金協力にて整備された機材をより有効に活用してもらうために、整備後5年から7年位の間に追加でのスペアパーツの供与や一部機材の修理が行われます。
今回紹介させていただきますのはアルメニアで行われた母子保健施設の医療機材整備の約6年後のフォローです。
ソチオリンピックの際に、日本人フィギュアスケート選手の練習場としてアルメニア首都のイェレヴァンにあるスケートリンクが使用されていたのが記憶にある方もいらっしゃると思います。

ハラズダン母子センター

ハラズダン病院前

首都を離れると緩やかな山稜の見渡せる景色、岩肌の見える丘陵が続き、緑広がる丘に囲まれた病院が一つの対象施設となっておりました。

保育器

こちらは首都にある施設で使用されていた保育器です。医療水準は機材の整備された年度よりより向上しており、600g程度の新生児まで救命することができるようになっているようです。

手術台

手術台も6年以上も毎日数件の手術をこなしているのに、丁寧に管理されてきたのが伺えます。いくつかの医療機材に関しては自分たちの手で修理や対応がされておりましたが、どうしても対応ができないものに関して、フォローアップにて整備をさせていただくことになりました。

アルメニアは、黒海とカスピ海に挟まれる人口約300万人の内陸国です。地震多発国で、地滑りなども多く発生し日本からの援助が行われています。紹介させていただいた写真でも見て取れるとおり、物を大切に扱い耐用年数以上の使用をしてくれています。

路上販売

共和国広場

地方からの帰りの道では道端でたくさんの野菜や果物が新鮮な状態で販売されておりました。夜になると共和国広場をはじめとする噴水で、光と音のショーが開かれておりました。病院で接していたスタッフの方々の優しさも、この様な豊かな環境から生まれてくるのだと感銘を受けるともに、日本からの援助もこの様な形で有効に使用いただき、コンサルタントの仕事をさせて頂いており幸せを感じる案件の一つでした。

タンザニア国KAIZEN指導者研修に参加してきました!

JICAが実施するタンザニア国「保健人材開発強化プロジェクト」に対し、わが社は短期専門家を派遣しております。同プロジェクトでは、タンザニア国の保健医療サービスの質の向上を目指して、5S-KAIZEN-TQMアプローチの全国展開と保健人材育成機関等への導入を支援しています。

2014年5月12日~16日まで同プロジェクトが行うKAIZEN指導者育成研修がタンザニア南西部に位置するムベヤコンサルタント病院で実施されました。本研修の開催は、今年で4回目となります。今回、わが社より私を含め社員2名は、KAIZEN活動を学ぶとともに研修運営をお手伝いさせていただきました。

本研修では、TQMアプローチの手法である5S活動から、KAIZEN活動に移行する医療施設の参加者を対象とし、研修後、各施設においてKAIZEN活動を指導できる人材育成を目的として開催されました。

今年の参加者は、開催地タンザニアから8病院及び保健福祉省の職員計40名、ウガンダ、マラウイ、ケニア、ナイジェリア、スーダンから計20名と大変賑やかな研修となりました。参加者は、各国の鮮やかな色の民族衣装で身をまとい、会場はとても華やかでした!

研修講師は、本プロジェクト内で育成されているタンザニア国内の10名のナショナルファシリテーターが務め、講義や演習指導等、参加者により分かりやすいよう進めていました。本研修を通じて、参加者は問題解決手法であるKAIZENプロセスの理論のみならず、グループ演習を通じて実践方法も学びました。そして、本プロジェクトのモデル病院であるムベヤコンサルタント病院の見学を通じ、現場での好事例を学んだことで実践へのより深い理解を得られたようでした。

その研修成果は、研修の修了式で参加者代表のマラウイ国ムスズ病院の参加者からの素晴らしいスピーチに現れていると思いますので、こちらでご紹介致します。

「5S-KAIZEN手法は、アフリカの病院で多くの問題を抱える私たちの仕事に対するマインドセットを変えてくれました。この研修で出会ったアフリカの兄弟国の参加者と共に、保健医療サービスの質の向上という共通の目標に向けて、互いの国で切磋琢磨し、KAIZENに取り組んでいくことを約束します。」

活発な意見交換や白熱した議論、時折湧きおこるアフリカンジョークによる大爆笑を交えながら、本研修は大盛況のうちに幕を閉じました!

医療現場での複雑に絡み合った問題の解決を行うためには、まずその問題の根源を正しく認識し、適切な対策が取られる過程が不可欠です。そのために、KAIZENツールの使用により、この問題の根源を段階的に明確にしていくことの必要性を研修参加者と共に学んできました。

本研修での成果がそれぞれの参加国の保健医療サービスの質の向上に貢献されていくことを心から祈っております。Good Luck !

高井