少年よ 大志をいだけ?

スーダンの南部に位置するセナール州のヘルスセンターに、医療機材を配った時のことです。ヘルスセンターとは、各村落に設置されている医療施設ですが、大きな病院がある州の中心から遠く離れた地域に暮らす住民にとっては命綱ともいえるものです。スーダンのへき地に行くと、居住環境はもちろん、医療環境も整備されておらず、住民たちが受けられる医療サービスには限りがあるのが現状です。我が国は、過酷な医療環境の中で懸命に医療サービスを提供しているヘルスセンター(スタッフの技術力やモチベーション、病院施設、患者情報等を調査し90以上の医療施設から選定)に必要な医療機材を供与しました。

ヘルスセンターに届いたベッドや椅子、血圧計や顕微鏡など山のような機材を、村の人が総出でヘルスセンターのなかに運びこんでくれます。

子供たちも集まってきて、聞きます。 「ニンハオ~ ねぇねぇ おね~さん 中国人?」

そうだよねぇ~ 顔だけじゃ区別がつかないだろうね~。でも ここはしっかり日本国について覚えてもらわなければいけません。

「ノ~ ノ~ 日本 日本 ジャパンだよ。ほら このマーク JICAマークを見て見て!」

 

すると一人の少年が 機材の近くに寄ってきて、じっっとJICAマークを見つめ始めました。

 

「少年! この光景を心に刻んでおいてね! いつか 君が大きくなった時、こんどは君が他の国の人を助けてあげる番になるからね。」と私は心の中でつぶやきました。でも 大きな声で言った方がよかったかなぁ?

 

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