タジキスタン国保健施設に係る無償資金協力

タジキスタン共和国の続きとなります。中央アジアに位置するタジキスタンで2週間ほど無償資金協力の業務を行ってまいりました。タジキスタンは、北にキルギス、東に中国、南にアフガニスタン、西にウズベキスタンと国境を接する旧ソビエト連邦からの独立国です。言語表記はキリル文字を使用していますが、公用語であるタジク語はペルシャ語を由来とする言語であると言われており、宗教も国民の多くがイスラム教徒です。食文化においては、ロシアとペルシャ料理の融合が見ら大変興味深いものがあります。

 

タジキスタンの食事

タジキスタンの食事

写真は食事の一面ですが、お茶はチャイと呼ばれますがスープにボルシチがあったり様々です。アフガニスタンと国境を接していることもあり、国交がありますので食事で頂いたコーラはアフガニスタン産のものでした。

 

 

ソモニ像

ソモニ像

市内にある大きなモニュメントはイスマイル・ソモニです。10世紀にサーマーン朝の全盛期を支えたタジキスタンの国父と呼ばれる人物で、通貨単位であるソモニもこのイスマイル・ソモニに因んでいます。独立前はこの場所に大きなスターリンの銅像が存在し、独立・ソ連邦の崩壊とともに、ソモニ像に置き換えられたようです。

 

 

 

 

前回は暑い夏の時期の訪問で気温が40℃を越えていましたが、今回は3月末の訪問でした。帰国前日の夕方より雪がちらつき始め、帰国便がこの影響にて欠航になるなど季節外れの積雪にしばし足止めをされましたが、雪化粧をした木が桃色に咲いた梅であることに気付かせてくれ、一時の休息が冷たい空気の中、心をほっとさせてくれる一幕でした。寒い雪の中に咲く、梅やサクラのように人の心を繋げるような援助のできるプロジェクトになることを心から祈っております。

3月の積雪

3月の積雪

エルサルバドルで素晴らしい出会いを経験しました!

3月11日から28日までの日程で、エルサルバドル共和国で仕事をしてきました。エルサルバドルは中米5ヶ国の中で最も国土の小さい国ですが、人口密度が高く、地震やハリケーン、火山噴火などの自然災害の被害を受けていること、人々は真面目で勤勉なことが日本と似ていることから、中米の日本とも呼ばれると聞きました。

首都圏は美しい都市ですが、一歩郊外にでると地すべりなど危険な状況も垣間見られます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それでも人々の心は豊かです。週末にサイト調査にでかけた後、遅めのランチを取った小さな村では教会の前の公園に屋台がでて、歌手のパフォーマンスがありました。偶然にもその主催者の一人が、カウンターパートの高校時代の友人であり、感動の再会シーンが展開しました。日本人を案内してきて、今は遅めのランチをとっているんだよと説明して、またねと分かれていきました。しばらくすると、一曲歌い終わった歌手が「ハポン、グラシアス!! 今、日本の方がエルサルバドルを支援するために調査に来てくれています~~~!!」と我々のことを紹介してくれました。すると、周囲からは暖かい拍手が沸き起こり、「グラシアス!!」の声が様々な方向から我々一行にかけられました。いや、ご飯食べに来ただけだし・・とはにかみつつも、その地域の伝統料理(首都圏に住む運転手さんも食べない)というとうもろこしを発酵させたスープで煮込んだチキンを食べながら、この国のために何が出来るかいつもに増して真摯に考えようと思った瞬間でした。(いや、拍手もらったからだけではないのです。人々の暖かい心、郷土料理の味に感動したのです。念のため)

その素晴らしい出会いは人々ばかりではありませんでした。ワンコ達もなかなかのものでした。(写真を撮ったものの腕が悪く、鮮明でないもので恐縮ですが)

通常、途上国のワンコはやせ衰え、肋骨が浮き出ていて、うつろな目、怯えながらも食事にありつこうとします。その哀れな姿は、生まれ変わっても途上国のワンコだけにはなりたくないと無宗教の友人に言わしめたほどです。けれど、エルサルバドルのワンコたちは野良犬でも人々に愛されているのか、肋骨が浮き出てさまようようなワンコではなく、余裕のよっちゃんで残り物を待つ風情がありました。椅子に座っているワンコは、コーヒーショップのワンコです。写真とるよぉ~とスペイン語で言ったところ、椅子に座ってポーズをとってくれました。もちろん、人々の生活に余裕があるからだと思いますが、ワンコに対する愛情がなければ、このような光景には出会えなかったと思います。

そして極めつけの経験は、とても尊敬できる女性にお目にかかれたことです。(ワンコの後でかくのも恐縮ですが・・・) その方は92歳の現役の保健大臣です。ロドリゲス大臣は貧しい家庭に生まれ育ちながら、努力によりエルサルバドルで初めての女医になられた方です。非常に聡明なかたで、医学部の教授、大学の学長を経て、現政権2009年から大臣になられました。 92歳という高齢で現役というのも驚かされますが、お話を伺っていてもその聡明さには感嘆します。

ピンクのジャケットにおしゃれなスカーフ、スカートにパンプスという女性らしい出で立ち。そのエレガントさは、人々を魅了します。何歳になっても女を忘れちゃいかんなぁと何度もつぶやいていた同僚の言葉が耳に残ります。

素晴らしい出会いに感謝!! だから この仕事はやめられない・・・・のかも。

 

 

講師のためのコーチングワークショップを開催しました。

第二回講師のためのコーチングワークショップを実施しました。

スーダン国カッサラ州基本行政サービス向上による復興支援プロジェクト保健クラスターでは、村落助産師現任研修の質の向上のため、コーチングワークショップを開催しました。

本ブログでもご紹介しました第8回、9回村落助産師現任研修で、講師たちの活躍ぶりを少しお伝えしておりますが、さらなる講師の能力向上のために、2012年に開催された第1回コーチングワークショップに続いて今回のワークショップが開催されまました。

ワークショップでは、研修で村落助産師に統一した正しい手順を教えるために作成された手順書の内容の確認と、第9回研修から導入したモデル指導案の修正、講師に必要なコミュニケーションスキルを学び、その後、それらの教材とスキルを活かしてフリップチャート教材を使用した講義の演習を行いました。

 

 

 

活発なディスカッションと熱心に取り組む演習は、こちらが圧倒されてしまうほどでした。教材の使用方法が大いに改善されました。

ワークショップでの学びを今後実施予定の村落助産師リフレッシャートレーニングに活かしていってくれることに期待します。

報告者:伊東

 

第八回村落助産師現任研修が終了しました。

ブログでお伝えしておりました、スーダン国カッサラ州での7日間の村落助産師現任研修が無事終了しました。

研修6日目にはFGM(女性器切除)の関するディスカッションを行いました。スーダンでは未だ多くの女子が自分の意思ではなく割礼を施術されており、その心身に与える侵襲から多大な被害を受けています。

伝統と風習、生活の糧を得るためなど様々な理由から、母と子の命を守るはずの村落助産師が、時にFGMの施術者になってしまっている現状があります。

講師の助産師さんたちも申しておりましたが、粘り強く啓蒙活動を行っていくほかありません。

閉会式でも確認しましたが、研修は終了ですがこれからが新たなスタートです。この研修での学びを糧に、村落助産師さんたちが、母子の健康のためにそれぞれの村で活躍してくれることを切に願います。

 

 

 

さすがアフリカ大陸!最後は雄叫びと机を利用した即席太鼓とダンスで研修終了を祝いました♪

 

より安全で安楽なお産の提供のため、本プロジェクトでは引き続き村落助産師さんの活動のサポートを行っていきます。

 

 

 

母子保健研修管理・マネージメント:伊東

村落助産師研修4日目を迎えました。

スーダン国カッサラ州で実施中の村落助産師研修は4日目を迎えました。
重要な分娩介助の手技を学ぶ研修の山場です。

水道のない村で活動してる村落助産師さんたち。手洗いは介助者が流水をかけながら行います。

 

 

 

 

 

 

いよいよお産の演習。講師によるデモンストレーションを熱心に見学します。

 

 

 

 

 

 

その後、手技の練習です。みんな真剣そのものです!

 

 

 

 

 

 

お母さんのみならず、赤ちゃんのケアも学びます。

 

 

 

 

 

 

連日講義と演習がびっちり入り暑さの中疲労もピークですが、講師・参加者ともに大変意欲的で夜の空き時間を利用してまで手技の練習を行っています。

研修も残すところあと3日です。みんな頑張れー!!

スーダン国カッサラ州で村落助産師研修がはじまりました。

JICAが実施する「スーダン国カッサラ州基本行政サービス向上による復興支援プロジェクト」に、母子保健研修管理・マネージメント担当として派遣されております。

80%以上の女性が自宅で出産するというスーダンでは、1年間の教育を受けた村落助産師たちが、それぞれの村で妊娠・出産・産後・新生児にまつわるケアの担い手となっています。そのように最前線で活躍する村落助産師さんを対象に、劣悪な母子保健状況を改善すべく、村落助産師現任研修を実施しています。

今回で8回目を迎える研修、ファシリテーターとなるのはヘルスビジターと呼ばれる助産師さんたちです。研修の質の改善も事業の目標の一つであり、毎回研修の内容が改善されています。
読み書きができない村落助産師さんたちがほとんどのなかで、絵や写真を使った視聴覚教材を効果的に使用していく必要があります。今回は新しく開発されたばかりの教材を初めて研修に導入してみました。作業手順書・視聴覚教材の導入によって、教える講師によって手順が変わってしまっていた科目も手順が統一され、写真を用いてわかりやすく説明することができるようになりました。

写真:視聴覚教材を用いて講義を行うファシリテーターの助産師

 

 

 

 

写真:血圧測定のデモンストレーション

 

 

 

 

 

これから7日間の研修が続きます。

気温40度を超える中、ファシリテーターも参加者の村落助産師さんも目を輝かせながら頑張っております。研修の成果を大いに期待してます。みんなの努力が実を結びますように。

 

 

 

 

 

 

母子保健研修管理・マネージメント担当:伊東

タンザニア国にてKAIZEN指導者研修の開催を支援

弊社では、JICAが実施するタンザニア国「保健人材開発強化プロジェクト」に短期専門家を派遣しています。去る2013年5月6日~10日には、同プロジェクトが開催を支援するKAIZEN指導者研修が同国南西部に位置するムベヤコンサルタント病院で実施されました。同短期専門家は研修ファシリテーターとして、同プロジェクトの長期専門家と同国ナショナルファシリテーターと共に、研修準備と開催の支援、講義や演習の円滑な実施に向けた支援をしました。

研修参加者(ムベヤコンサルタント病院にて)

タンザニア国では、保健医療サービスの質の向上を一つの大きな課題として取り上げ、職場環境の向上から継続的な質の向上、そして包括的な質の管理につながる枠組みのモデルを打ち出して、保健医療サービスの質の向上に取り組んでいます。本プロジェクトは、タンザニア国の保健医療サービス向上のために「保健人材管理に資する2つの情報システムの全国普及」に加え、「5S-KAIZEN-TQM手法*1の全国展開と保健人材育成機関等への導入」の支援をしています。

本研修は、5S-KAIZEN-TQM手法の全国展開の取り組みの一環として、5S活動からKAIZEN活動に移行する保健医療施設を対象に、各施設内でKAIZEN手法を実践・指導できる人材を育成する目的で実施されました。第3回目となる本研修には、同国の7病院と保健福祉省の職員に加え、隣国のウガンダ、ケニア、マラウイからも参加者を迎えて実施されました。

演習のグループワークに取り組む参加者

参加者は、7つのステップで構成されるKAIZENプロセスについて、講義と演習を通じて、職場環境における問題の発見と分析、継続的な改善をどのようにしていくかを実践的に習得していきました。さらに、JICAが実施する「きれいな病院プログラム」のパイロット病院の一つで、本手法を使った病院経営改善における多くの先進的事例を有するムベヤコンサルタント病院の現場見学を通じて、参加者はより具体的な実践方法について理解を深めることができました。研修終了時には、「自身の施設でもKAIZEN活動を実施して、労働環境や病院経営の改善を図りたい」との声が多くの参加者から聞かれました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ムベヤコンサルタント病院のスタッフからKAIZENの実践状況について熱心に話を聞く参加者(病院見学)

 

 

 

 

 

 

 

*1 主力事業「5S」をご覧ください。

*2「きれいな病院プログラム」は、アフリカ地域の15カ国を対象に、日本型品質管理手法(5S-KAIZEN-TQM)を活用して保健医療施設(病院)の経営管理の向上を目的に、2007年にJICAが開始したプログラムです。

(寄稿者:宮本、錦戸)

モルドバ国 保健省関係者 来日

2013年1月、東欧に位置するモルドバ国より、国会副議長や保健大臣をはじめとする保健省関係者合計18名が日本に来られました。来日の目的は、日本の医療施設や医療機器メーカーを訪問し、日本の医療システムや医療機器を知ることでした。保健大臣は今回が2回目の訪日でしたが、他の参加者は初めての日本となりました。

 

関係者を迎え入れる立場としては、日本の気候や食べ物などを心配していましたが、モルドバ国は現在マイナス15度ほどの気温であるため、1月の日本を「むしろ温かく良い気候」と言っていましたし、日本食を大変気に入り、出される食事を美味しそうに完食する方、スーパーで醤油などをお土産に買う方も多くいました。

視察の最終日に保健大臣が、日本の医療システムや医療施設の在り方、最新鋭の医療機器など、視察プログラム内で目にしたすべてが、今のモルドバにとってが必要なものだと感じたと述べられ、その言葉をありがたい気持ちで拝聴しておりました。

ご協力くださいました各病院関係者の皆様、医療機器メーカーの皆様には大変感謝しております。

 

ハードなスケジュールとなりましたが、病人やけが人もなく、無事に日本をあとにされました。

またいつか皆さんにお目にかかれることを楽しみにしています。

マラウイ共和国で5S-KAIZEN-TQM の指導者研修を開催

 

 

 

 

 

 

 

 

今年度、弊社では、マラウイ共和国(以下、「マラウイ」)へJICAが実施する病院運営改善プロジェクトに専門家を派遣し、5S-KAIZEN-TQM手法を用いた病院の運営改善の取り組みを支援しています。

去る11月13日から16日にかけて、同国保健省は5S-KAIZEN-TQMの普及と定着を目的に、5S指導者研修(Training Of Trainers、以下「TOT」)を首都リロングウェで開催しました。弊社は、既に派遣している2名の専門家に加え、もう1名、専門家を派遣し、支援しました。

研修の目的は、5S活動を既に実施している施設は、その活動をさらに強化すること、これから導入する施設については、施設内で5S導入研修を実施できる知識と技能を身に付けることです。本研修には、中央病院2施設、県病院8施設、ミッション系病院1施設、ヘルスセンター3施設と全国の14施設から27人が、ゾーン(地域)保健局から4人、また病院やヘルスセンターを配属先に活動する6人の青年海外協力隊が参加しました。さらに、本研修では、過去のTOT参加者、2名がファシリテーターとして参画し、ファシリテーターとしての知識、技能を向上する機会を設けました。

研修の開会式には、同国保健省の事務次官(Principle Secretary)とJICAマラウイ事務所次長が参列されました。

 

研修では、5Sのコンセプトや具体的な手法についての知識を身に付けてもらうための講義やグループ演習のほか、首都リロングウェから車で約1時間離れたドーワ県病院で実地演習を行いました。ドーワ県病院は、JICAが実施する「きれいな病院プログラム」*2 のパイロット施設に指定され、同国内でも先進的に5S-KAIZEN活動に取り組んでいます。参加者たちは、同病院の活動を視察するとともに、モニタリングと評価方法を学びました。

ドーワ県病院の5Sの取り組み

参加者たちは、それぞれの知識を深めるとともに、自身の施設での研修実施、活動強化に向けてのスキルアップを図ることができました。研修最後には、同国保健省看護局の副局長とJICAマラウイ事務所所長から修了証を誇らしげに受け取る参加者の姿が見られました。

今後は、研修後、参加施設でどのように活動を強化しているか、または5S活動を新たに導入しているか進捗を確認していくとともに、指導者研修のあり方を含め、国家的なガイドラインやマニュアルの策定に関する支援を行う予定です。

*1 主力事業「5S」をご覧ください。

*2「きれいな病院プログラム」は、アフリカ地域の15カ国を対象に、日本型品質管理手法(5S-KAIZEN-TQM)を活用して保健医療施設(病院)の経営管理の向上を目的に、2007年にJICAが開始したプログラムです。

 (投稿者:宮本、錦戸)

マラウイ共和国の子どもたちの健やかな成長へ

今年度、弊社では、マラウイ共和国(以下、「マラウイ」)へJICAが実施する病院運営改善プロジェクトに専門家を派遣し、5S-KAIZEN-TQM手法を用いた病院の運営改善の取り組みを支援しています。

この度、マラウイの子どもたちの勉学と身体の育成を願い、サリマ県のセカンダリースクール(日本の中学校に相当)「Matenje Community Day Secondary School」と「Kaphirimtiwa Community Day Secondary School」の二校へ、関数電卓10個、定規セット10個、サッカーボール2個を寄贈しました。サリマ県は、マラウイの中部に位置し、マラウイ国土の4分の1を占めるマラウイ湖に隣接する地域で、上記プロジェクトの保健省担当者、Mr.パレの出身地です。このほかMr.パレより、バケツや手洗い用せっけんなどが贈られました。

去る10月20日に、Matenje Community Day Secondary School(日本の支援により建設)で寄贈式が開催されました。

会場となった「Matenje Community Day Secondary School」

 

 

 

 

 

 

多くの生徒でにぎわう会場

 

 

 

 

 

 

 

残念ながら、弊社からは参加できませんでしたが、代わりにサリマ県を任地として活動する青年海外協力隊の二人が立ち会ってくださいました。以下、お二人から伺った寄贈式の様子です。

「寄贈式には、先生や生徒をはじめ、多くの学校関係者が集まりました。クイズ形式で数学や英語、理科などの問題が生徒に出題され、正解の多いグループにより多くの寄贈品が分配されるというルールで行われ、生徒たちは白熱した様子で問題に答えていました。寄贈式では、学校から感謝の言葉が贈られるとともに、生徒たちからは終始笑顔が見られました。」

 

 

 

 

 

 

ささやかですが、マラウイの子どもたちの健やか成長に少しでも寄与できればと願います。

(投稿者:宮本、錦戸)