弊社では、独立行政法人国際協力機構(JICA)が実施する技術協力プロジェクトセルビア国「国家乳がん早期発見プログラム改善プロジェクト」を請け負っており、同国の検診事業を中心とした乳がん対策の能力向上を支援しています。
セルビアでは、女性の死因の1位が乳がんであり、早期発見できる体制の整備が早急に必要とされています。
プロジェクトの一環として、6月19日から6月30日までの2週間、同国の放射線科医および診療放射線技師の指導者の卵である研修生9名が来日し、横浜市、横浜労災病院およびNPO法人日本乳がん検診精度管理中央機構の協力のもと、日本の乳がん対策やマンモグラフィ精度管理に関する研修を行いました。
今回は、その研修の様子をご紹介します。
協力施設の一つの横浜市民病院では、診療放射線技師の先生からマンモグラフィ撮影方法を指導して頂きました。
セルビアでは、機材に検診者を合わせるEUの方式を採用しているため、検診者の体に機材を合わせるという日本のやり方に戸惑っているご様子が見られ、その理由についての議論で盛り上がっていました。
その中で、日本では、なるべく患者の負担を減らし、さらによりクリアな画像を撮ることを目指し、撮影方法を改良してきた歴史について説明がありました。しかし、最終的には、セルビアの皆さんは、セルビア人は胸が大きく日本のように無理やりはさむ必要がないのではないか、という結論に至ったようです。
その後、NPO法人日本乳がん検診精度管理中央機構の研修でも同様の議論があり、こちらでも、日本の方法は、より効果的かつ確実な必要部位の撮影を目指して確立された旨を説明されました。
一部の研修員は、日本のやり方も良さそうなので試してみたいとコメントするなど、乳がん発見のためには効果的な撮影が必要であるとの気づきを得たようです。
次回も本邦研修の様子をお伝えします。