セルビア ピンクリボンデザインコンテスト案内用のポスター

セルビアにおけるピンクリボンデザインコンテスト2018のポスターは、2016年に公益財団法人日本対がん協会が実施した第12回ピンクリボンデザインコンテストの入賞作品*です。セルビアのパートナーに、セルビアの文化的また社会的背景を考慮したうえで、過去の入賞作品の中からプロモーションポスターを選んで頂きました。

これまでの受賞作品の多くは、「対象年齢=お母さん世代」とイメージし、特に日本では「お母さん=お弁当」ということで、お弁当をモチーフとした作品がいくつか見られましたが、セルビアでは、「対象年齢=お母さん世代」とか、「お母さん=ランチボックス」というイメージはないようでした。セルビア側が選んだ作品候補は、信号、リボン、風船などをイメージしたものでしたが、最終的に一番インパクトがあるとのことで、信号の作品が選ばれました。

セルビアの皆さんにも素晴らしいポスターを応募して頂き、そのポスターを通じて、セルビアと日本の双方で乳がんに対する認識の向上につなげられればと思います。

(ご参考)

*公益財団法人日本対がん協会 ピンクリボンデザイン大賞

http://www.pinkribbonfestival.jp/event/design/2016/

 

 

 

セルビアピンクリボンデザインコンテストの開催

現在、JICA技術協力プロジェクト「セルビア国国家乳がん早期発見プログラム改善プロジェクト」では、セルビア国保健省や公衆衛生局(Batut)と協力し、乳がんの早期発見に向けた啓発活動として「セルビアピンクリボンデザインコンテスト*」を開催することとなりました。本コンテストは、日本において公益財団法人日本対がん協会が主催されている「ピンクリボンフェスティバル**」のイベントの一つである「デザイン大賞」を参考とさせて頂き、日本対がん協会からご助言頂きながら、準備を進めております。10月は乳がん月間ですので、本活動を通じ、乳がんの検診対象者だけでなく、多くの方々の関心を高められますよう、盛り上げていければと思います。
本アカウントを通じまして、コンテストの詳細やプロジェクトの活動、日本とセルビアの乳がんにかかる情報などを発信していく予定です。本活動へのご理解やご支援、どうぞよろしくお願い致します。

(ご参考)

*セルビアピンクリボンコンテスト2018について

https://www.facebook.com/Pink-Ribbon-Serbia

https://www.instagram.com/Pink-Ribbon-Serbia

**公益財団法人日本対がん協会 ピンクリボンフェスティバルとは

http://www.pinkribbonfestival.jp/festival/about.html

 

 

第3回患者安全サミット

2018年4月13日~14日にかけて、患者安全に関する国際的な専門家会合・閣僚級会合である「第3回患者安全サミット」(主催:厚生労働省、共催:日本医療安全調査機構、日本医療機能評価機構、後援:国際協力機構(JICA)、国立国際医療研究センター)に参加してきました。同サミットは2016年にイギリスで始まり、2017年のドイツに続き、第3回目は、2000年以降、国を挙げて体系的な制度構築と改善に取り組んできた日本での開催となり、44カ国から約500人が参加しました。

閣僚級会合における加藤厚労大臣の開会挨拶

参加各国・機関の代表者

我が社は、本サミット参加者のために用意された「KAIZEN報告書」のうち、途上国における5S-KAIZENと患者安全について、JICAと共に厚生労働省への情報提供、報告書作成に協力しました。

KAIZEN報告書

世界では、約10%の患者が何かしらの医療過誤を受けていると言われ、患者安全の問題は先進国、開発途上国ともに大きな課題となっています。また、医療過誤により支出される費用(診断ミスによる症状の重篤化、薬剤の副作用による入院等)も膨大で、健全な病院経営の視点からも重要な課題です。

近年、世界的にユニバーサル・ヘルス・カバレッジ(UHC:すべての人が、適切な健康増進、予防、治療、機能回復に関するサービスを支払い可能な費用で受けられること(出展:JICA))の重要性が注目されていますが、これまではUHCの議論の中で、医療サービスへのアクセスの向上が焦点となることが多かった半面、医療サービスの質や安全についての議論はあまり深められていませんでした。今回のサミットでは、医療安全はUHCの達成要件の一つであり、保健医療システムの一部として患者安全文化やシステムを構築することの重要性が確認されました。特に、保健医療システムが既に確立された状態で患者安全システムを構築することはコストがかかり非効率的であることから、開発途上国等保健システムの構築・改善段階にある国にとって保健医療システム改革の一環として患者安全システムに取り組むことの重要性が指摘されました。

その他にも、これまで医療安全の主な対象となっていた入院治療のみでなく、多くの患者が一番初めに医療サービスにアクセスする外来やプライマリーケアにおける医療安全を考えることの重要性、患者のエンパワメントや医療安全の取組における患者の参画、患者安全文化醸成のためのマネジメント層による医療現場の現状と医療倫理への理解、医療過誤等の失敗からのみでなく成功体験から学ぶことの必要性などが登壇者から指摘されました。

また、一部のアジアの国やJICAから患者安全文化を醸成する手法として5S-KAIZEN-TQMの有効性が言及されました。今回、患者安全にアプローチする方法として挙げられたものは、WHOの患者安全ガイドラインの順守や、ICT活用によるデータ管理等、政策レベルの手段やコストがかかる手段が中心であったため、その中で5S-KAIZENはコストをかけずに直接的に患者安全に取り組める具体的な手法として注目を集めていました。

我が社は、現在、「カイゼンを通じた保健医療サービスの質向上」研修や「タンザニア国 地域中核病院マネジメント強化プロジェクト」を通じて、5S-KAIZEN-TQMアプローチによる保健医療サービスや経営の質向上を支援しています。今後も人々がより良い安全な医療サービスを受けられる世界を目指し貢献していければと思います。

【参考】第3回閣僚級世界患者安全サミットの開催についてhttp://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000202494.html

 

 

エルサルバドル国・病院前診療の能力強化プロジェクト(第1期)1

我が社では、独立行政法人国際協力機構(JICA)が実施する「エルサルバドル国・病院前診療の能力強化プロジェクト(第1期)」を請け負っています。

首都サンサルバドル郊外のカルデラ湖

プロジェクトの概要と活動の様子を一部ご紹介します。

プロジェクトの目的は、サンサルバドル首都圏において病院前診療に携わる人材(保健省救急医療局、保健連帯基金、非営利団体等)を対象にした病院前診療提供者の能力強化、病院前診療の適切なモニタリング評価体制の確立、コミュニティ住民の救急救命に関する理解と参画の促進により、首都圏において質の確保された病院前診療の提供を図ることです。また、首都圏での成果を基に、同国全域に質の確保された病院前診療の普及に寄与することが期待されています。

エルサルバドルは、火山の噴火や地震など自然災害に対して脆弱な国で、災害医療体制が先行して構築されました。一方、平時の救急医療体制は不十分であったため、同国保健省内に救急医療局を2012年に新設し、首都圏に救急医療システム(Sistema de Emergencias Medicas、以下「SEM」)を2013年12月に導入しています。

しかし、SEMの運用にあたっては、患者の搬送時の判断や処置など病院前診療を提供する人材の技術水準が安定していなかったり、行われた判断や処置を事後に検証する評価体制が確立されていなかったりと、多くの課題があります。

このような背景の下、エルサルバドル政府は、病院前診療の技術の強化及び普及を通じて、傷病者の救命率の向上に貢献することを目指し、日本政府へ技術協力プロジェクトを要請しました。

本プロジェクトは、以下の4つの成果の達成を目指しています。

成果1:病院前診療提供者に対する研修・継続教育の過程が強化される。

成果2:SEMの病院前診療に対する適切なモニタリング・評価体制が確立される。

成果3:サンサルバドル首都圏住民の救急救命に関する理解と参画が深まる。

成果4:他の地域へ、サンサルバドル首都圏の病院前診療の成果を普及する礎が形成される。

保健連帯基金が有する救急車を視察

エルサルバドルの救急医療体制の特徴は、赤十字社、緑十字社、救助部隊等の非営利団体が患者搬送の長い歴史と経験を有し、病院前診療提供者として大きく貢献している点です。本プロジェクトにおいても、カウンターパート機関である保健省に加え、協力機関として各成果の活動に参画いただいています。

例えば、成果1の活動では、「病院前診療に必要な知識を標準化するための計画実行」に係る技術チームが結成され、保健省救急医療局の職員のほか、保健連帯基金、非営利団体(赤十字社、緑十字社、救助部隊)、国家文民警察、消防隊がメンバーとして参画しています。同チームは、国家の統一的な「病院前救護基礎過程」研修プログラムの策定、同研修で使用する教材の作成作業に着手し、協議を重ねています。

技術チームで研修教材の内容について協議する様子

このほか、コミュニティの住民向けの啓発教育活動では、保健省のカウンター部局のほかプライマリーヘルスケア局の協力を得て実施予定です。

活動の進捗については、今後も引き続き、ご紹介していきます。

セルビア:マンモグラフィ検診を全国に広げるために

今回も引き続き、セルビア国「国家乳がん早期発見プログラム改善プロジェクト」で2017年6月に行った本邦研修のご様子をお伝えします。

今回の本邦研修では、乳がんのマンモグラフィ検診普及に向けて、セルビアの5つの基幹病院から読影医と診療放射線技師の指導者の卵が来日し、日本の乳がん検診を学びました。

グループワークを行う診療放射線技師のチーム

セルビアは、北海道ほどの面積でありとても小さいですが、北部は旧ハンガリー帝国でヨーロッパ色が強く、南部へ向かうに従い旧オスマン帝国の影響でオリエンタルな様相が加わります。

研修参加の姿勢にも土地柄がみられるようです。

北部:議論や実習に率先して参加、首都(ベオグラード):若干、周囲の様子を伺う姿勢(首都のプライドでしょうか?)、中部:控えめながら積極的に参加、南部:関心を持ちつつも、遠慮がちにニコニコと他の研修生の後ろから参加しています。

名古屋への移動中の新幹線にて、素敵な笑顔を見せていただきました!

 

そんな控えめな南部の方々ですが、マンモグラフィ検診普及への思いは熱く、モバイル検診車を含む2台のマンモグラフィ機材を用い、農村部に出向いて朝7時頃から夜遅くまで1日100件以上の検診を精力的に実施してきたそうです。中には体調を崩したスタッフもいたため、さすがに今はそこまでできなくなったそうですが、その献身的な活動の原動力について聞くと「医療従事者の使命」とのこと!

真剣な面持ちでグループワークに取り組む放射線科医のチーム

研修中の週末には、NPO法人日本乳がん検診精度管理中央機構(精中機構)のマンモグラフィ講習会に参加してきました。今まで控えめだった南部の参加者は、目を輝かせながら生き生きとマンモグラフィ診断や撮影の実習に取り組み、要所要所で的確な質問やコメントをされるなど、積極的に参加していました。いつも笑顔が絶えず、たまに冗談を言って皆さんを大笑いさせるなど、ムードメーカーの役割も担っています。

岡山で行われた精中機構の放射線科医向け研修の講義の様子

精中機構の標準化された研修を受けた後、参加者全員がセルビアでも同様の研修の必要であると発言していました。

空き時間に鎌倉まで足をのばし、大仏の前で記念撮影!

この研修を受けて、セルビアのマンモグラフィ検診がどう変わっていくのか、大いに期待できそうです。

マンモグラフィのやり方の違いはスタイルの違い?

弊社では、独立行政法人国際協力機構(JICA)が実施する技術協力プロジェクトセルビア国「国家乳がん早期発見プログラム改善プロジェクト」を請け負っており、同国の検診事業を中心とした乳がん対策の能力向上を支援しています。

セルビアでは、女性の死因の1位が乳がんであり、早期発見できる体制の整備が早急に必要とされています。

プロジェクトの一環として、6月19日から6月30日までの2週間、同国の放射線科医および診療放射線技師の指導者の卵である研修生9名が来日し、横浜市、横浜労災病院およびNPO法人日本乳がん検診精度管理中央機構の協力のもと、日本の乳がん対策やマンモグラフィ精度管理に関する研修を行いました。

今回は、その研修の様子をご紹介します。

協力施設の一つの横浜市民病院では、診療放射線技師の先生からマンモグラフィ撮影方法を指導して頂きました。

診療放射線技師より、マンモグラフィの撮影ポジションについての説明を受ける様子(横浜市民病院)

セルビアでは、機材に検診者を合わせるEUの方式を採用しているため、検診者の体に機材を合わせるという日本のやり方に戸惑っているご様子が見られ、その理由についての議論で盛り上がっていました。

1人の研修生が乳房のついた教材用スーツを着用し患者役となり、実際に撮影のポジショニングを行った(横浜市民病院)

その中で、日本では、なるべく患者の負担を減らし、さらによりクリアな画像を撮ることを目指し、撮影方法を改良してきた歴史について説明がありました。しかし、最終的には、セルビアの皆さんは、セルビア人は胸が大きく日本のように無理やりはさむ必要がないのではないか、という結論に至ったようです。

講義後に行われた実習の様子(NPO法人日本乳がん検診精度管理中央機構)

その後、NPO法人日本乳がん検診精度管理中央機構の研修でも同様の議論があり、こちらでも、日本の方法は、より効果的かつ確実な必要部位の撮影を目指して確立された旨を説明されました。

実際のマンモグラフィ画像の所見について、講師より説明を受けている様子(NPO法人日本乳がん検診精度管理中央機構)

一部の研修員は、日本のやり方も良さそうなので試してみたいとコメントするなど、乳がん発見のためには効果的な撮影が必要であるとの気づきを得たようです。

日本の天ぷらは、セルビアの皆さんのお口に合ったようです。箸の使い方は、日を追うごとにお上手になられていました!

次回も本邦研修の様子をお伝えします。

エジプト国保健医療セクター情報収集・確認調査(エジプト国・救急機構の本邦招聘)

我が社では、独立行政法人国際協力機構(JICA)が実施する「エジプト国保健医療セクター情報収集・確認調査」を請け負っています。この度、本調査の一環で、エジプト国の救急医療を担う救急機構(EAO:Egyptian Ambulance Organization)関係者の本邦招聘事業を支援しました。

2016年2月、日本・エジプト両国首脳間で「エジプト・日本教育パートナーシップ」が打ち立てられ、今後5年間で少なくとも2,500人のエジプト人留学生および研修生が教育・保健分野を中心に日本に派遣されることが発表され、留学生借款による支援が予定されています。これを受けて、保健分野の一つとして、エジプト国の救急医療の人材の質を高めようとEAOが設立を進める人材養成校(Ambulance Academy)の指導者を養成する短期研修が計画されています。

本招聘事業は、EAO関係者に日本の救急医療システム、救急救命士制度や救急救命士教育課程に関する理解を深めてもらい、研修の内容を具体化することを目的に、2016年12月5日~16日の日程で実施され、EAOの長官と副長官が関係機関を視察訪問されました。

この視察訪問は、厚生労働省や総務省消防庁、東京消防庁、北九州市消防局などの行政機関、救急救命士の教育機関である国士舘大学や一般財団法人救急振興財団・救急救命九州研修所(ELSTA九州)、救急医療を提供する医療機関、救急車の架装メーカーなど、日本の救急医療に携わる様々な機関の協力を得て実施されました。

ここでは、その一部を紹介します。

国士舘大学のスポーツ医科学科は、救急救命士を養成する日本で初めての4年制大学として2000年に設立されました。国士舘大学では、救急救命士の教育課程に関する講義をいただくとともに、学生の実習風景を見学しました。

国士舘大学:

http://www.kokushikan.ac.jp

国士舘大学 防災・救急救助総合研究所

http://www.kokushikan.ac.jp/research/DPEMS/index.html

心肺停止の傷病者に対する気管挿管の実習風景(国士舘大学)

心肺停止の傷病者に対する気管挿管の実習風景(国士舘大学)

また、西日本の消防機関の救急救命士を養成するELSTA九州(福岡県北九州市)では、同校の研修内容についてご講義いただくとともに、実習風景を見学させていただきました。

実習風景(ELSTA九州)

実習風景(ELSTA九州)

招聘期間中に神奈川県消防学校で開催された「第13回 東日本学生救急救命技術選手権」も視察しました。この大会には、東日本にある15校、総勢106名が参加し、外傷や意識障害、循環器疾患など、さまざまな病院前救護を想定したシナリオに基づき、参加者は知識と技術を競いました(総合成績1位は、国士舘大学でした)。

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東日本学生救急救命技術選手権の様子

東日本学生救急救命技術選手権の様子

北九州市消防局の小倉北消防署では、実際の救急車を見学し規格や設備を確認しました。

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EAOの長官と副長官は全ての講義・視察において熱心に質問され、非常に活発な質疑応答が繰り広げられました。目的であった研修内容も具体化されるとともに、お二人からは、「日本の救急医療制度や実施体制について理解を深め、エジプトにおける将来の救急救命士育成と救急隊員の能力の底上げを目的としたAmbulance Academyの設立に向けて多くの学びがあった」と感想が述べられました。

日本食を楽しまれるEAO長官(写真右)と副長官(写真左)

日本食を楽しまれるEAO長官(写真右)と副長官(写真左)

滞在中、日本の文化にも触れられたお二人。

過密なスケジュールを終えて、無事に帰国の途に就かれました。

コンゴ民主共和国国立生物医学研究所拡充計画準備調査

弊社では、独立行政法人国際協力機構(JICA)が実施する無償資金協力案件「コンゴ民主共和国国立生物医学研究所拡充計画準備調査」を請け負っています。

中部アフリカに位置するコンゴ民主共和国(「コ」国)は大陸第二位の広大な国土(日本の約6 倍)を有しており、周辺9か国と国境を接することから、「コ」国の平和や安定は地域に多大な影響を与えてきました。保健分野においては、高温多湿の気候から、エボラ出血熱を含む熱帯感染症の発生・流行国となってきました。また、脆弱な保健システムや限られたサービスデリバリー能力といった課題を抱えており、低い保健指標にも表れているほか、過去7 回にわたってエボラ出血熱の流行を経験しています。こうした背景のもと、「コ」国政府は国家保健計画を策定し、「全国民への質の高い基本医療サービスの提供」を目標とし、中でもエボラ出血熱をはじめ、結核、マラリア、HIV/エイズ等の感染症対策は最重要課題に位置付けられています。

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本事業は感染症対策を担う唯一の中央機関である国立生物医学研究所の検査・研究及び研修実施のための施設及び機材を拡充することにより、熱帯感染症等の病原体の検体の同定、基礎的研究、医療従事者や研究者の育成促進を通じた感染症対策の取組強化を図り、もって同国の社会サービスへのアクセス改善に寄与するものです。

2016年6月から7月にかけて、調査団の一員として、弊社から2名(機材計画、機材調達計画/積算)が対象施設のあるキンシャサで現地調査を実施しました。対象の研究所施設の現状をハード・ソフトの両面から調査するとともに、関係各省庁との面談、関係者との協力内容についての打ち合わせ、建築資材・研究機材の現地代理店等の調査、現地調達となる資機材・内国輸送費・車両費等の単価調査など、業務内容は多岐にわたりました。thumb_IMG_1929_1024

サバナ気候であるキンシャサでは、調査団の滞在中の6月から8月にかけては乾期にあたり、雨が降ることがありませんでした。気温は20℃後半になることが多かったですが、曇りの日が多く日差しはあまり強くはありませんでした。日本の真夏に比べると過ごしやすい気候でしたが、治安の問題から、日中・夜間とも徒歩での外出は許可されていませんでしたので、傭上した車両に乗り市内での調査となりました。

調査を通じて、対象の研究所が抱える問題や案件を通じて検討をするべき「コ」国ならではの課題が明らかとなってきました。今後は調査で得られた情報を国内で解析し、その情報を基に協力範囲を定め、詳細設計を行っていく予定です。

モルドバ国医療機材維持管理改善プロジェクト3

「モルドバ国医療機材維持管理改善プロジェクト」の活動の一環として2016年12月8日、9日に「医療機材維持管理に係るV4+日本協力ワークショップ」を開催致しました。当該ワークショップは医療機材の維持管理を担う機関として設立される医療機材管理センター/ユニット*の設置基準ガイドラインと業務ガイドラインの内容を協議・決定すること、また医療施設の方々に適切な医療機材管理の重要性を伝えることを目的としております。

当該ワークショップにはモルドバ国保健省、JICA、キシナウ市保健局、医薬品・医療機材庁、スイス開発協力庁、モルドバ工科大学、全国の3次レベル・2次レベル病院45施設といった様々な機関の方々に加え、V4諸国(ポーランド、チェコ、スロバキア、ハンガリー)の代表としてポーランドからPiotr Augustinyak教授が、またルーマニアの代表としてCalin Corciova教授が医療機材技術者として参加されました。

IMG_0256 初日8日は、医療機材管理に関する経験を共有するため、保健省、スイス開発協力庁、モルドバ工科大学の代表からモルドバの医療機材維持管理の現状について説明を頂いた後、ポーランド、ルーマニア、日本の参加者より各国の医療機材管理の現状について紹介がありました。その後、これらのプレゼンテーションを踏まえて参加者で医療機材管理について協議を行いました。

IMG_2704 2日目の9日は、医療機材管理センター/ユニットの設置基準ガイドライン案の内容について、グループに分かれて協議を行い、その結果について各グループが発表を行いました。また業務ガイドラインの内容の一部である医療機材管理フォームの意義と内容として追加すべき点について活発な議論が展開されました。

IMG_0289ワークショップ後に参加者からは医療機材管理に関する初のイベントとして有意義な内容であったとの評価を頂きました。今後はこのワークショップの結果を踏まえて、医療機材管理センター/ユニットの設立に向けて設置基準および業務ガイドラインの修正・最終化を行います。