ヘルスセンターでの出来事

先日ザンビアのとあるヘルスセンター(一次機能病院で簡単な処置を行う外来棟をもつ施設。医療費は無料。センターのレベルによるが入院棟、周産期病棟や母子保健病棟を備えるところもある)を訪れた時の話です。

施設の中には、電球がはめられていない電気、蛇口が設置されていない水回り(水が出ない)がたくさんあります。

電球を買わないのか、蛇口を買って修理しないのか、一つ一つの質問に担当者は「既に電球も蛇口も購入して修理できる状態になっている。」と答えました。ではなぜ、それを修理しないのか・・・・ 

「修理をする暇がない」という答えを想像していた私の期待を裏切り、帰ってきた言葉は「修理をしてもその部品を盗む人がいて、修理するのをためらっている」というものでした。 

先日、いつの間にか、水が出なくて使用できなかった洗面台(配管含む)がそっくりそのまま消えていたそうです。患者が盗んだのだろうと、よくあることを伝えるような語り口で話しました。そのような返事は予期していなかったため返す言葉をみつけるのに数秒かかりました。

 

 

 

 

 

 

洗面台があった場所

 

患者が1日1000人を超えるような大きなヘルスセンターでは、患者やその家族でごった返し、24時間利用者に目が行き届くほどのスタッフ配置もなされていないため、そういった盗難を防ぐことは難しいようです。

 

病気になっている人のために無料で治療が行われるヘルスセンターで、ヘルスセンター自身が被害にあうという事実が、なんとも悲しく思われました。

辰野

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