病院の停電

2012年6月中旬に、 政府による関西電力大飯原発(福井県おおい町)再稼働方針の決定を受け、大阪市の橋下徹市長は16日、「実際に停電になれば自家発電機のない病院などで人命リスクが生じるのが大阪の現状だ」と述べた、とインターネットのニュースで見ました。

 

この言葉を聞いて、真っ先に思い出したことは、ザンビアにある二次病院(比較的ザンビアでも大規模レベルの病院)でつい先日起こっていた停電でした。その日は、医療機材の担当官とお昼ご飯を食べていました。そこにかかってきた一本の電話。

医療機材の担当官が応答します。

 

「なに?停電?」

途上国で、前触れなしに停電が起こるのはよくあることです。

「バックアップのジェネレーターが作動しない?」

「30分くらいか・・・」

 

停電している各部署から、医療器材管理部に苦情がたくさん届いているそうです。

電話対応を終えた担当官が、「手術室や集中治療室(ICU)に電気が供給されていない・・・」「ジェネレーターが何らかの理由で作動せず、今も電気がないらしい。」と話しました。

良く起こることなの?の質問に、苦笑いをしていた担当官の顔が忘れられません。

 

大変な事態です。

 日本の2次レベルくらいの大きな病院であれば、消防法等の関係で、停電時に自動的に電源供給ができる非常電源(自家発電設備および蓄電池設備)が数種類設置されています。その前に、停電そのものがほとんど起こらないのですが・・・

 

手術室やICUの照明や医療機器への電源供給が途絶え、非常用の電源に切り替わらなければ、結果的に患者の命を奪ってしまう可能性があることは誰も否定できません。 

自分がもし、患者だったら、患者の家族だったら、そしてそこで働く医療者であれば・・・と考えずにはいられませんでした。

停電が起こらないように最善を努める日本において、このザンビアの大病院で頻繁に起こる停電は、まさしく「ありえない」こととして映るのだろうなと思いました。

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