タンザニア国にてKAIZEN指導者研修の開催を支援

弊社では、JICAが実施するタンザニア国「保健人材開発強化プロジェクト」に短期専門家を派遣しています。去る2013年5月6日~10日には、同プロジェクトが開催を支援するKAIZEN指導者研修が同国南西部に位置するムベヤコンサルタント病院で実施されました。同短期専門家は研修ファシリテーターとして、同プロジェクトの長期専門家と同国ナショナルファシリテーターと共に、研修準備と開催の支援、講義や演習の円滑な実施に向けた支援をしました。

研修参加者(ムベヤコンサルタント病院にて)

タンザニア国では、保健医療サービスの質の向上を一つの大きな課題として取り上げ、職場環境の向上から継続的な質の向上、そして包括的な質の管理につながる枠組みのモデルを打ち出して、保健医療サービスの質の向上に取り組んでいます。本プロジェクトは、タンザニア国の保健医療サービス向上のために「保健人材管理に資する2つの情報システムの全国普及」に加え、「5S-KAIZEN-TQM手法*1の全国展開と保健人材育成機関等への導入」の支援をしています。

本研修は、5S-KAIZEN-TQM手法の全国展開の取り組みの一環として、5S活動からKAIZEN活動に移行する保健医療施設を対象に、各施設内でKAIZEN手法を実践・指導できる人材を育成する目的で実施されました。第3回目となる本研修には、同国の7病院と保健福祉省の職員に加え、隣国のウガンダ、ケニア、マラウイからも参加者を迎えて実施されました。

演習のグループワークに取り組む参加者

参加者は、7つのステップで構成されるKAIZENプロセスについて、講義と演習を通じて、職場環境における問題の発見と分析、継続的な改善をどのようにしていくかを実践的に習得していきました。さらに、JICAが実施する「きれいな病院プログラム」のパイロット病院の一つで、本手法を使った病院経営改善における多くの先進的事例を有するムベヤコンサルタント病院の現場見学を通じて、参加者はより具体的な実践方法について理解を深めることができました。研修終了時には、「自身の施設でもKAIZEN活動を実施して、労働環境や病院経営の改善を図りたい」との声が多くの参加者から聞かれました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ムベヤコンサルタント病院のスタッフからKAIZENの実践状況について熱心に話を聞く参加者(病院見学)

 

 

 

 

 

 

 

*1 主力事業「5S」をご覧ください。

*2「きれいな病院プログラム」は、アフリカ地域の15カ国を対象に、日本型品質管理手法(5S-KAIZEN-TQM)を活用して保健医療施設(病院)の経営管理の向上を目的に、2007年にJICAが開始したプログラムです。

(寄稿者:宮本、錦戸)